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2019年通常国会に会社法改正案が提出される予定

法務大臣の諮問機関である法制審議会の会社法部会が審議(第18回会議)が2018年12月12日行われた。

それまでの審議でまとめられた会社法改正の要綱案がほぼ出来上がった模様。

詳しい議事録は、法務省のホームページにまだアップされていない(「議事録等(準備中)」になっている)。アップされ次第詳細をお伝えする。

日経の報道(会社法改正案、社外取締役を義務化 非上場の大企業にも)等から見て、部会資料27として添付されている 「会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する要綱案」がほぼそのまま要綱案となったと推測できる。

本要綱案を2019日2月に法務大臣に答申し、2019年の通常国会に改正案を提出、国会の審議・議決を得て、2020年の施行を目指す予定(上記日経報道)。

改正案の概要

  1. 株主総会資料の電子提供制度
  2. 株主提案権の濫用的行使を制限
  3. 取締役等に対する適切なインセンティブの付与・透明化
  4. 社外取締役等の活用・設置の義務付け

➀➁は、株主総会に関する規律の見直しであり、➂④は取締役等に関する規律の見直しに係る改正である。

株主総会資料の電子提供制度

➀株主総会資料の電子提供制度については、電子提供制度を定款で定めることで、株主からの個別の承諾を得ることなく、株主総会資料をインターネット上で提供できるようになる。

電子提供制度を採用した企業では、株主総会の3週間前から総会の日時や株主総会資料をインターネット上で提供する必要がある。

書面による株主総会の招集通知の発送は、総会の2週間前までとされているので、電子提供制度においては、それよりも1週間早く提供されることになる。

株主提案権の濫用的行使の制限

株主提案権については、株主総会で一人の株主が提案できる議案数を10に制限し、議案の数え方についての規律を設けた。

また、目的による制限として、人の名誉を侵害、人を侮辱、困惑させる目的や不正な利益を図る目的での議案の提案が制限されている。

さらに、株主総会の運営を著しく妨害するおそれがある場合や株主の共同の利益が害されるおそれがある場合も議案の提案が制限される。

取締役等への適切なインセンティブの付与・透明化

(ア)監査役会設置会社(公開会社であり,かつ,大会社であるものに限る。)であって金融商品取引法第24条第1項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないもの

および

(イ)監査等委員会設定会社

においては、取締役会で、取締役の報酬等の決定方針を決定しなければならない。

さらに、取締役の報酬等の決定方針を定めた場合には、この内容の概要および株主総会に提出された取締役の報酬に関する議案がこの決定方針に沿うものである理由を株主総会で説明することを議案を提出した取締役に義務付けている。

また、取締役等の報酬に関する情報開示の充実も図られている。

社外取締役等の活用・設置の義務付け

特に重要なのが、④の社外取締役の設置の義務付けである。

現行会社法では、株主総会で社外取締役非設置の理由説明が求められるだけで、設置強制まではされていなかった。

しかし、改正要綱案では、「監査役会設置会社(公開会社であり,かつ,大会社であるものに限る。)であって金融商品取引法第24条第1項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないものは,社外取締役を置かなければならないものとする。」とされている。

したがって、公開会社かつ大会社である監査役会設置会社で、金融商品取引法上、有価証券報告書の提出義務がある会社であれば、上場企業だけでなく、非上場企業でも対象となり得る

 

真美先生
公開会社というのは、譲渡制限のない株式を発行している会社のことです。一部でも譲渡制限のない株式を発行している会社は公開会社になります。また、証券取引所に上場等をしている会社(上場企業)のことを指すわけではありません。

 

真美先生
大会社というのは、資本金が5億円以上、または負債が総額で200億円以上ある会社のことを指します。
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