
この記事の目次
保証協会について問題
2018年問題44
宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)の社員である宅地建物取引業者Aに関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 Aは、保証協会の社員の地位を失った場合、Aとの宅地建物取引業に関する取引により生じた債権に関し権利を有する者に対し、6月以内に申し出るべき旨の公告をしなければならない。
2 保証協会は、Aの取引の相手方から宅地建物取引業に係る取引に関する苦情を受けた場合は、Aに対し、文書又は口頭による説明を求めることができる。
3 Aは、保証協会の社員の地位を失った場合において、保証協会に弁済業務保証金分担金として150万円の納付をしていたときは、全ての事務所で営業を継続するためには、1 週間以内に主たる事務所の最寄りの供託所に営業保証金として1,500万円を供託しなければならない。
4 A は、その一部の事務所を廃止したときは、保証協会が弁済業務保証金の還付請求権者に対し、一定期間内に申し出るべき旨の公告をした後でなければ、弁済業務保証金分担金の返還を受けることができない。
1× 還付請求権者に対する公告は、宅建業者自身が行うのではなく、保証協会が行う(64条の11➁③)。
2○ 苦情の解決は保証協会の必要的業務であり(64条の5➀)、その苦情の解決に必要があると認めるときは、社員(A)に対して文書または口頭による説明を求めることができる(64条の5➁)。
3× 150万円の弁済業務保証金分担金を納付していたということは、本店と支店3つを営んでいたということになり(64条の9➀)、営業保証金は1,000+500×3=2,500万円の供託が必要である(25条➀➁)。これを1週間以内に供託しなければならない(64条の15)。
4× 事務所の一部廃止による弁済業務保証金分担金の一部の返還の場合、保証協会は公告をすることなく、宅建業者に返還可能(64条の11➁③④)。
2016年問題31
宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)の社員である宅地建物取引業者に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 保証協会に加入することは宅地建物取引業者の任意であり、一の保証協会の社員となった後に、宅地建物取引業に関し取引をした者の保護を目的として、重ねて他の保証協会の社員となることができる。
2 保証協会に加入している宅地建物取引業者(甲県知事免許)は、甲県の区域内に新たに支店を設置した場合、その設置した日から1月以内に当該保証協会に追加の弁済業務保証金分担金を納付しないときは、社員の地位を失う。
3 保証協会から還付充当金の納付の通知を受けた社員は、その通知を受けた日から2週間以内に、その通知された額の還付充当金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない。
4 150万円の弁済業務保証金分担金を保証協会に納付して当該保証協会の社員となった者と宅地建物取引業に関し取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、2,500万円を限度として、当該保証協会が供託した弁済業務保証金から弁済を受ける権利を有する。
1× 保証協会への加入は任意であるが、複数の保証協会に加入することはできない(64条の4➀)
2× 追加の弁済業務保証金分担金の納付は、設置した日から「1月」以内ではなく、「2週間」以内にしないと保証協会の社員としての地位を失う(64条の9➁③)
3× 還付充当金の納付は「供託所」に対してではなく、「保証協会」に対して行う(64条の10➁)
4○ 150万円の弁済業務保証金分担金を納付していることから、本店と支店3店舗が営んでいることが分かる。したがって、営業保証金を供託する場合には、1000+500×3=2500万円を供託する必要があり、この金額が宅建業に関し取引をした者が弁済業務保証金から弁済を受けられる限度額となる(64条の8➀)。
2014年問題39
宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 還付充当金の未納により保証協会の社員の地位を失った宅地建物取引業者は、その地位を失った日から2週間以内に弁済業務保証金を供託すれば、その地位を回復する。
2 保証協会は、その社員である宅地建物取引業者から弁済業務保証金分担金の納付を受けたときは、その納付を受けた日から2週間以内に、その納付を受けた額に相当する額の弁済業務保証金を供託しなければならない。
3 保証協会は、弁済業務保証金の還付があったときは、当該還付に係る社員又は社員であった者に対して、当該還付額に相当する額の還付充当金を保証協会に納付すべきことを通知しなければならない。
4 宅地建物取引業者が保証協会の社員となる前に、当該宅地建物取引業者に建物の貸借の媒介を依頼した者は、その取引により生じた債権に関し、当該保証協会が供託した弁済業務保証金について弁済を受ける権利を有しない。
1× 還付充当金の未納により保証協会の社員の地位を失った宅建業者が、供託によりその地位を回復できるとする規定は存在しない。この場合、社員の地位を失った後も宅建業を引き続き営むときは、営業保証金を1週間以内に供託しなければならない(64条の15)。
2× 「2週間」以内ではなく、「1週間」以内に供託しなければならない。
3○ (64条の10➀) この通知を受けた宅建業者は、2週間以内に還付充当金を保証協会に納付しなければならない
4× 宅建業者が保証協会の社員となる前に取引をした者も、弁済業務保証金から弁済を受ける権利を有する(64条の8➀)。
2013年問題39
宅地建物取引業保証協会(以下この間において「保証協会」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 保証協会は、社員の取り扱った宅地建物取引業に係る取引に関する苦情について、宅地建物取引業者の相手方等からの解決の申出及びその解決の結果を社員に周知させなければならない。
2 保証協会に加入した宅地建物取引業者は、直ちに、その旨を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に報告しなければならない。
3 保証協会は、弁済業務保証金の還付があったときは、当該還付に係る社員又は社員であった者に対し、当該還付額に相当する額の還付充当金をその主たる事務所の最寄りの供託所に供託すべきことを通知しなければならない。
4 宅地建物取引業者で保証協会に加入しようとする者は、その加入の日から2週間以内に、弁済業務保証金分担金を保証協会に納付しなければならない。
1 ○ 社員たる宅建業者の取り扱った取引に関する苦情の解決は、保証協会の必要的業務の1つであり(64条の2➀一)、保証協会は、社員たる宅建業者の相手方等からの解決の申出及びその解決の結果を社員(宅建業者)に周知させなければならない(64条の5➀④)。
2 × 宅建業者が保証協会に加入した場合、宅建業者自身が免許権者に報告するのではなく、保証協会が免許権者に報告しなければならない(64条の4➁)。
3 × 還付充当金の納付は「供託所」ではなく、「保証協会」にするものなので、通知も「保証協会に納付すべきこと」を通知する(64条の10➀)
4 × 保証協会に加入しようとする場合、分担金は事前納付する必要がある。したがって、「加入の日から2週間以内」ではなく、「加入しようとする日まで」に納付しなければならない(64条の9➀)。
2012年問題43
宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 保証協会は、弁済業務保証金分担金の納付を受けたときは、その納付を受けた額に相当する額の弁済業務保証金を供託しなければならない。
2 保証協会は、弁済業務保証金の還付があったときは、当該還付額に相当する額の弁済業務保証金を供託しなければならない。
3 保証協会の社員との宅地建物取引業に関する取引により生じた債権を有する者は、当該社員が納付した弁済業務保証金分担金の額に相当する額の範囲内で、弁済を受ける権利を有する。
4 保証協会の社員との宅地建物取引業に関する取引により生じた債権を有する者は、弁済を受ける権利を実行しようとする場合、弁済を受けることができる額について保証協会の認証を受けなければならない。
1 ○ この供託は、納付を受けた日から1週間以内にしなければならない(64条の7➀)
2 ○ この供託は、通知書の送付を受けた日から「2週間以内」にしなければならない(64条の8⓷、弁済業務保証金規則1条、4条)。
3 × 弁済を受ける権利は、「当該社員が社員でないとしたならば供託すべき営業保証金の額に相当する額の範囲」で受けることができる。「当該社員が納付した弁済業務保証金分担金の額に相当する額の範囲内」ではない。
4 ○ 弁済を受けることができる額について保証協会の認証を受ける必要がある(64条の8➁)。
2011年問題43
宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
1 宅地建物取引業者が保証協会に加入しようとするときは、当該保証協会に弁済業務保証金分担金を金銭又は有価証券で納付することができるが、保証協会が弁済業務保証金を供託所に供託するときは、金銭でしなければならない。
2 保証協会は、宅地建物取引業の業務に従事し、又は、従事しようとする者に対する研修を行わなければならないが、宅地建物取引士については、法第22条の2の規定に基づき都道府県知事が指定する講習をもって代えることができる。
3 保証協会に加入している宅地建物取引業者(甲県知事免許)は、甲県の区域内に新たに支店を設置する場合、その日までに当該保証協会に追加の弁済業務保証金分担金を納付しないときは、社員の地位を失う。
4 保証協会は、弁済業務保証金から生ずる利息又は配当金、及び、弁済業務保証金準備金を弁済業務保証金の供託に充てた後に社員から納付された還付充当金は、いずれも弁済業務保証金準備金に繰り入れなければならない。
1 × 宅建業者の分担金の納付は「金銭のみ」であるが、保証協会の保証金の供託は「金銭または有価証券」で可能であり(64条の9➀➁、64条の7③、25条③)、本肢は、結論的に前後が逆になっている。
2 × 保証協会は、業務として本肢のような研修を行う必要があり(64条の3➀)、これは、法22条の2の規定に基づき都道府県知事が指定する講習(宅建士証交付時に受ける「法定講習」)で代替はできない。
3 × 新たに事務所を設置した場合の分担金の納付は、設置した日から「2週間」以内にしなければならない(64条の9➁)。納付しない場合、社員の地位を失う(64条の9⓷)。
4 ○ (64条の12)。保証協会は、還付充当金の納付がされない場合に備えて、弁済業務保証金から生じる利息等を準備金として積み立てておく必要がある。
2010年問題43
宅地建物取引業保証協会(この問において「保証協会」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 宅地建物取引業者が保証協会の社員となる前に、当該宅地建物取引業者と宅地建物取引業に関し取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、弁済業務保証金について弁済を受ける権利を有する。
2 保証協会の社員である宅地建物取引業者と宅地建物取引業に関し取引をした者が、その取引により生じた債権に関し、弁済業務保証金について弁済を受ける権利を実行するときは、当該保証協会の認証を受けるとともに、当該保証協会に対し、還付請求をしなければならない。
3 保証協会から還付充当金を納付すべきことの通知を受けた社員は、その通知を受けた日から1月以内に、その通知された額の還付充当金を当該保証協会に納付しなければならない。
4 保証協会は、新たに宅地建物取引業者がその社員として加入しようとするときは、あらかじめ、その旨を当該宅地建物取引業者が免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に報告しなければならない。
1 ○ 宅建業者が保証協会の社員となる前に取引をした相手方も弁済業務保証金から弁済を受ける権利を有する(64条の8➀)
2 × 認証は保証協会から受けるが、還付請求は供託所に対して行う(64条の8➀➁、64条の7➁)
3 × 通知を受けた日から「1か月」以内ではなく、「2週間」以内である(64条の10➀➁)
4 × この報告は事前に行う必要はなく、あらかじめ」ではなく「直ちに」行えばよい(64条の4➁)
営業保証金と弁済業務保証金の複合問題
2017年問題39
営業保証金を供託している宅地建物取引業者Aと宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)の社員である宅地建物取引業者Bに関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア A (国土交通大臣免許)は、甲県内にある主たる事務所とは別に、乙県内に新たに従たる事務所を設置したときは、営業保証金をその従たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない。
イ Aは、平成29年5月1日に、Bに手付金500万円を支払い、宅地の売買契約を締結した。宅地の引渡しの前にB が失踪し、宅地の引渡しを受けることができなくなったときは、Aは、手付金について、弁済業務保証金から弁済を受けることができる。
ウ Bは、保証協会の社員の地位を失ったときは、その地位を失った日から1週間以内に、営業保証金を供託しなければならない。
エ Bの取引に関して弁済業務保証金の還付があたっときは、Bは、保証協会から当該還付額に相当する額の還付充当金を納付すべき旨の通知を受けた日から2週間以内に、還付充当金を保証協会に納付しなければならない。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
ア× 他県に新しく設置した従たる事務所の分も含めて主たる事務所の最寄りの供託所に供託する必要がある(25条➀、26条➁)。
イ✕ 宅建業者は還付請求権者から除外されているので、弁済業務保証金から弁済を受けることはできない(27条➀、64条の8➀)。
ウ○ 保証協会の社員である宅建業者が社員たる地位を失った場合において、宅建業を引き続き営むときは、その地位を失った日から1週間以内に、営業保証金を供託しなければならない(64条の15)。
エ○ 還付充当金の納付は通知を受けた日から2週間以内にする必要がある(64条の10➁)。
正しいものはウ、エの2つであり、肢2が正解となる。
2015年問題42
営業保証金を供託している宅地建物取引業A者と宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)の社員である宅地建物取引業者Bに関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 新たに事務所を設置する場合、Aは、主たる事務所の最寄りの供託所に供託すべき営業保証金に、Bは、保証協会に納付すべき弁済業務保証金分担金に、それぞれ金銭又は有価証券をもって充てることができる。
2 一部の事務所を廃止した場合において、営業保証金又は弁済業務保証金を取り戻すときは、A、Bはそれぞれ還付を請求する権利を有する者に対して6か月以内に申し出るべき旨を官報に公告しなければならない。
3 AとBが、それぞれ主たる事務所の他に3か所の従たる事務所を有している場合、Aは営業保証金として2 ,500万円の供託を、Bは弁済業務保証金分担金として 150万円の納付をしなければならない。
4 宅地建物取引業に関する取引により生じた債権を有する者は、Aに関する債権にあっては、Aが供託した営業保証金についてその額を上限として弁済を受ける権利を有し、Bに関する債権にあってはBが納付した弁済業務保証金分担金についてその額を上限として弁済を受ける権利を有する。
1× 営業保証金の供託は有価証券を充てることができるが(25条③)、弁済業務保証金分担金の納付は金銭で行う必要があり、有価証券を充てることはできない(64条の15)。
2× 一部の事務所の廃止の場合、営業保証金の取戻しの際は公告が必要だが(30条➁③、営業保証金規則8条)、弁済業務保証金の取戻しや弁済業務保証金分担金の返還の際は公告は不要である(64条の11➀➁④)。
3○ Aの営業保証金は、1000+500×3=2,500万円、Bの弁済業務保証金分担金は、60+30×3=150万円(25条➁、64条の9➀)
4× Bの場合も、宅建業に関する取引により生じた債権を有する者は、Bが保証協会の社員でなければ供託すべきであった営業保証金の額を上限としてが弁済を受ける権利を有する(27条1項、64条の8➀)。つまり、AとBの場合で上限の金額に違いはない。